本研究では、金ナノロッドのパルスレーザー光照射に伴う原子レベルでの構造変化について、超高圧電子顕微鏡によるその場観察と収差補正走査透過電子顕微鏡による原子構造観察で解析を行った。波長が1064 nmの近赤外レーザー光パルスを金ナノロッドに照射したところ、比較的弱い強度では単結晶を維持して外形がロッド状から{001}と{111}面を表面とする樽状へと変化した。一方、比較的強い強度では外形が球状になるとともに内部は多重双晶構造に変化した。試料ドリフト補正を行ったHAADF-STEM像では±4 pmの精度で原子位置の決定でき、多重双晶点近傍での局所原子変位を定量解析することに成功した。
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