研究課題/領域番号 |
25290009
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
武藤 彩 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教 (00525991)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 前視蓋 / 視床下部 / 捕獲行動 / ゼブラフィッシュ / カルシウムイメージング |
研究実績の概要 |
本研究は動物が外界から得られる感覚情報に基づいて適切な行動を選択するメカニズムを明らかにすることである。そのための実験系として、ゼブラフィッシュ稚魚が餌を見たときにどのような機能的神経回路によって捕獲行動が生ずるかを明らかにすることを目指している。そのための研究手法として、カルシウム(Ca)イメージングにより、脳活動を可視化する。平成26年度の研究では、捕獲行動時の脳機能イメージングを行なった結果、餌の存在時に特異的な脳の活動が、前視蓋(Pretectum)の部位で生ずることを見出した。また前視蓋からの投射先として、視床下部の一部(Lobus inferior hypothalami)を同定した。さらに、前視蓋の細胞をレーザー破壊法を用いて特異的に除去した結果、捕獲行動がほぼ完全に消失することを見出した。これらの実験結果は、前視蓋-視床下部の神経回路が「餌検出器」としての役割の担っている可能性を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目的は、捕獲行動に関与する機能的神経回路を網羅的に同定することである。捕獲すべき餌を視覚的に認識するための要となる神経回路の構成要素が前視蓋と視床下部の一部であることを明らかに出来たのは大きな進展である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、どの脳部位から前視蓋へ情報が入力するのか、また、どの脳部位へ視床下部から出力するのかを明らかにする必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
脳機能イメージング(カルシウムイメージング)を行うための遺伝子導入ゼブラフィッシュの系統を確立し、落射蛍光顕微鏡および共焦点レーザー顕微鏡を用いてカルシウムイメージングの実験を開始したが、人為的に神経機能制御を行う実験に関しては遅れが生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
人為的に神経機能制御を行う実験に必要な、光遺伝学ツール(チャネルロドプシン、ハロロドプシン)、神経毒の系統の作製と維持を行うのに必要な遺伝子合成、分子生物学試薬、遺伝学実験試薬の購入を行う。
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