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2014 年度 実績報告書

トランスクリプトームとエネルギー代謝から紐解くマングローブの生態ニッチ決定機構

研究課題

研究課題/領域番号 25292091
研究機関琉球大学

研究代表者

渡辺 信  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (10396608)

研究分担者 井上 智美  独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (80435578)
光田 展隆  独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80450667)
門田 幸二  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (60392221)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード植物生態生理 / マングローブ
研究実績の概要

前年度、沖縄県西表島の仲良川に、各々4つの5m×5m調査プロットで形成される6つのサイトを設置した。前年度に引き続きモニタリングを実施する一方で、光環境データの収集を行った。水位計と導電率計をサイト毎に設置して潮位変化と塩分濃度のモニタリングを継続する一方でプロット毎の地盤高の再計測を行い、潮位変化と合わせてプロット毎の湛水頻度を計算した。プロット毎の実生の生育状況を調べるために実生の消長と成長を調べた。プロット毎に葉面積数計(LAI)により葉面積指数を測定する一方で、光合成有効放射計(PAR)、近赤外放射計(NIR)を用いて各プロット毎の光量だけでなく光質データを収集した。以上から野外プロットの主要な地形データ、環境因子データ、初期の実生成長データを取得することが出来た。
環境が異なる各プロットの実生の葉でどのような遺伝子が発現しているのかを明らかにするために、次世代シークェンサーのRNA-Seq解析試料を、最も潮汐の差が大きくなる夏の大潮の時期に各プロットの実生から採取した。試料採取は満潮時と干潮時にそれぞれ行い、プロット毎に完全に冠水した状態の実生と完全に水から現れた状態の実生から若葉を採取した。Total RNAを抽出し、次年度初頭にプレップ処理が完了次第シークェンスを実施する。
西表の主要なマングローブ樹種であるオヒルギ、ヤエヤマヒルギ、メヒルギの胎生種子を採取し、恒温器内の異なる環境条件下(異なる湛水頻度、塩分濃度、光強度)で栽培し、生重量、発根、発芽のデータを収集した。この実験から発根を促す要因が従来言われてきた接触刺激でなく遮光である可能性が示唆されたため、次年度にはトランスクリプトーム情報と照らし合わせてリアルタイムPCRによる遺伝子発現解析を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成26年度の作業内容は、野外調査、栽培実験、次世代型シークェンサーによるRNA-Seqで構成されているが、そのうち次世代型シークェンサーによるRNA-Seq実験に用いるTotal RNAの調整が難航し、スケジュールが遅延した。最終的に年度末にTotal RNAの調整が完了し、シークェンスの実施目処が次年度初頭と決まったため、本研究の達成度をやや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

野外調査については前年度に引き続き光環境、潮位変化、塩分濃度をモニタリングする一方で、地盤高とプロット毎の実生の生育状況を調べる。収集したデータをGISに取り込み、地形、生育状況、環境因子、遺伝子発現情報の空間解析プラットフォームを整備する。
環境が異なる野外プロットの実生の葉でどのような遺伝子が発現しているのかを明らかにするために、次世代シークェンサーのRNA-Seq解析試料のTotal RNAを抽出、プレップ処理、シークェンスを実施し、既に解析が完了しているオヒルギのトランスクリプトームをリファレンスとしてトランスクリプトーム解析を行う。またヤエヤマヒルギ、メヒルギのリファレンス作成用シーケンスを実施する。
西表の主要なマングローブ樹種であるオヒルギ、ヤエヤマヒルギ、メヒルギの胎生種子を採取し、恒温器内の異なる環境条件下(異なる湛水頻度、塩分濃度、光強度)で発根に注目した栽培試験を実施する。野外試料と栽培試料のトランスクリプトーム解析結果から、湛水ストレス、高濃度塩類ストレス、遮光ストレスで顕著な変化を示す機能遺伝子を特定し、リアルタイムPCRで更なる解析を進める。

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公開日: 2016-06-01  

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