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2014 年度 実績報告書

文化的景観概念の拡充のための生活基盤景観に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25292211
研究機関東京大学

研究代表者

小野 良平  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40272439)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード文化的景観 / 景観保全
研究実績の概要

前年度の農業地域における調査に対して、26年度は漁業地域を対象として三陸沿岸地域を調査対象とし、沿岸地域からの海の可視性の検討を行った。具体的には、まず八戸市から石巻市までの海岸線から10km以内の陸域を対象に、海岸線から2kmの範囲の海の被視頻度についてGISを用いて評価を実施した。その結果、一帯の地形生成要因とも対応し、北部では陸域からの海の可視性が南部に比べて比較的高い傾向などが窺われた。次にこの結果をもとに沿岸域諸集落の立地と可視性の関係を検討するため、26年度は八戸市から久慈市にかけての76集落を対象に現地調査を行った。その結果、2/3程度の集落の立地において、全陸域における海岸からの距離に対応した海の可視性の低下の平均的傾向よりも高い可視性が維持されていること、すなわち海の可視性の高い地点に集落が立地する傾向にあることが確認された。特に今回調査地の集落は漁業集落でないものも多く、沿岸域の農業集落においても海の可視性がその立地の要因となっていることが示唆された。さらに、個々の集落内部においての海の可視性の変異にも注目した分析を行った。その結果、ある集落全体として平均値としては海の可視性が特段高くはないものの、集落内のある限られた地点においては、海の可視性が高く、またその場所が神社や城跡(「舘」と呼ばれる土地)など、地域の社会、コミュニティの成立に関わりの強いオープンスペースであることがわかり、このような特異点の存在についての仮説が検証された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

機器の導入上の問題等による25年の研究の遅れの影響が残ったこと、および研究代表者の所属機関の異動が生じたことなどにより、現地調査など不十分な点が残り、全体としてやや遅れている。

今後の研究の推進方策

研究全体としての仮説の検証は概ね予定通りの方向で進んでおり、その精度を高めるための現地調査の充実に留意して研究をさらに進める。

次年度使用額が生じた理由

機器の導入上の問題等による25年の研究の遅れの影響が残ったこと、および研究代表者の所属機関の異動が生じたことなどにより、現地調査および成果発表の実施を留保したため。

次年度使用額の使用計画

主として遅れている現地調査および成果発表のための旅費等へ使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cultural Aspects of the Visual Landscape as a Basis for Everyday Life: Case Studies in Rural Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Ryohei, ONO
    • 雑誌名

      Proceedings of 52nd World Congress of the International Federation of Landscape Architects

      巻: 1 ページ: notfiixed

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Cultural Aspects of the Visual Landscape as a Basis for Everyday Life: Case Studies in Rural Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Ryohei, ONO
    • 学会等名
      52nd World Congress of the International Federation of Landscape Architects
    • 発表場所
      St. petersburg
    • 年月日
      2015-06-10 – 2015-06-12

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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