本研究は、iPS細胞より作製した腸管(iGut)から膵臓(iPanc)を作製することを目的に計画した。当初は臨床応用を目指して、ヒトiPS細胞を用いて研究を開始したが、iPancの作製には至らなかった。一方、マウスiPS細胞を用いた実験の過程で、iPS細胞から作製した心臓(iHeart)及びiGutの運動は、体内の臓器と同様に、低体温症の限界温度である35℃以下で減弱し、30℃で停止することを見出した。さらに、膵臓のβ細胞が緑色に光るマウス由来のiPS細胞を樹立できる見込みである。本研究で得られた成果及び培養技術は、iGutからiPancを臓器として再生する研究に大いに役立つものと考えられる。
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