研究課題
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN: intraductal papillary mucinous neoplasm)に併存する通常型膵癌(PDAC: pancreatic ductal adenocarcinoma)が近年注目されているが、IPMNとPDACの両病変が近接する場合には,浸潤癌がIPMN由来癌(Inv-IPMC)か併存するPDACか病理学的診断に迷うことがしばしばある。 IPMN併存膵癌とInv-IPMCの鑑別がGNAS・KRAS遺伝子変異解析により可能かどうかを、当科で切除術を施行したIPMN併存通常型膵癌患者の15例を対象として検討した。その中でIPMN病変部(n=16)と併存する通常型PDAC(n=16)の計32病変についてGNAS・KRAS遺伝子変異解析を行った。対照群としてInv-IPMCの浸潤癌部と非浸潤癌部(膵管内腫瘍部)およびInv-IPMC原発巣と転移巣のGNAS・KRAS遺伝子変異を比較検討した.遺伝子変異はHRM法を用いPCR産物のシークエンス解析で確認した。IPMN併存膵癌と診断された15例では,同一膵内でもIPMNとPDACの遺伝子変異パターンが全例で異なっていた。一方、Inv-IPMCの浸潤癌部と非浸潤癌部のKRAS・GNAS遺伝子変異パターンは10例中9例(90%)で一致した。Inv-IPMCと転移巣(リンパ節転移2例,肺転移1例)の比較検討でも,全例で遺伝子変異パターンが一致した。IPMNに特異的なGNAS遺伝子変異とIPMNおよびPDACに共通するKRAS遺伝子変異解析を組み合わせることで, 分子生物学的にPDACとInv-IPMCの鑑別診断が可能と考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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