研究課題/領域番号 |
25301043
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
福原 宏幸 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20202286)
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研究分担者 |
花田 昌宜 (花田昌宣) 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
松原 仁美 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 研究員 (70736347)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会福祉関係 / 社会的包摂 / 社会的連帯経済 / 生活困窮者支援 / フランス / アクティベーション / 就労連帯所得 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、フランス現地調査を1回実施した。福原と松原は、8月22日-31日、リール都市圏で、就労連帯手当(RSA)の実施状況、就労困難者に対する就職支援の実態、並びにこれらの人びとの社会的参加を担っている社会連帯経済の実態について、ヒアリング調査を行った。訪問先は、10か所であった。 これらの調査を通して、社会参入・職業参入に対するリール市ならびにノール県の取組と、同地域にある民間諸団体の活動の全体像を把握することができた。とくに、社会的連帯経済の取組は、フランス国内においてとりわけ活発であるとともに、全国の活動をリードする位置にあることがわかった。リール市議会議員であり、社会的連帯経済専門家であるMme BOUCHART女史からは、フランス全体の社会的連帯経済についても、多くの示唆を得ることができた。 この3年間において、パリ、ナントそしてリールの3市とその所在する県における社会的困窮者に対する生活保障、社会参加支援そして就労支援の取り組みを調査したが、いずれも先進地域であるとはいえ、各市のこれまで地域的、歴史的背景を前提に、支援の体制や手法に相違があることがわかった。今後は、これらの点をさらに整理し、研究を深めていきたい。とくに周到支援を積極的に進めようという姿勢がいずれの市でも見られたが、その方法や体制は異なったものであったことが興味深かった。 今後は、これらのデータの整理を行い、報告書に取りまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度から福原は、勤務先大学の研究科において研究科長・学部長の職責を担うこととなったことにともなって、研究に十分な時間を割り当てることが困難となった。同様に、研究分担者の花田においては勤務先大学での調査研究センターの所長の仕事がとくに同年度に増えた。これらのことによって、本調査研究がやや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査によって、フランスにおいて先進的に社会的困窮者支援に取り組んでいる3地域の取り組みの実態を把握することができた。今後は、これらの調査によって得たデータの分析を進める。とくに、データの資料集を作成することがまず重要と考えており、それを活用して、報告書をまとめる予定でいる。また、学会での発表を行うこととしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の福原が、平成27年4月から研究科長・学部長の役職に就いたことから、とくに9月以降、調査研究を十分に進めることが難しくなった。12月に予定していた分担研究者である花田と福原の現地調査が実施できなかったことから、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、前年度実施できなかったフランス現地調査を実施する予定である。また、これまでの調査データの分析と取りまとめを計画している。
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