研究期間中に北部ベトナムナムディン省ヒエンカインコミューン在住の300家屋、約1,600人を対象に、細菌、ウイルス、原虫を含む広範な下痢症の起炎微生物の分布状況の把および下痢症危険因子の解明を試みた。対象住民は1年間に約19%が下痢症を経験する事が示唆された。また、対象家屋において、非下痢性サンプルおよび下痢性サンプルをそれぞれ集積し解析した。その結果、ロタウイルス、アデノウイルス、全てのカテゴリーの下痢原性大腸菌、クロストリジウム、赤痢アメーバが下痢の起炎微生物として重要であることが示唆された。またウシ、ブタ、家禽等家畜の保有とジアルジア等下痢原性原虫感染症との関連が強く示唆された。
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