本研究の主たる成果は,凹関数の最小化問題に対して大域的最適解を生成する2種類の確定的アルゴリズムである.1つは,錘アルゴリズムとよばれるクラスの分枝限定法で,問題の実行可能領域を複数の多面体錘に分割して目的関数の下界値計算を行う.錘の分割規則としてω2分割を新たに提案し,そのもとでアルゴリズムの収束を証明し,実用性を計算実験によって確認した.もう1つは,単体アルゴリズムとよばれるクラスで,実行可能領域を複数の単体に分割して目的関数の下界値計算を行う.単体の分割規則には既存のω細分割やω2分割を一般化してωk-分割を提案し,アルゴリズムの収束証明を行い,その実用性も計算実験によって確認した.
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