本研究では,プログラマブル多次元ディジタル波形信号合成器とその設計支援ツールを開発した.当初は,多次元信号合成器を単一の回路構成で直接実現する予定であったが,多次元化による回路規模の増大を抑える術が無く,最終的には,従来手法同様,一次元信号合成器の組合せによる実現を採用せざるを得なかった.しかし,多次元への拡張を前提として,算術変換に基づく新たな一次元信号合成器を設計したことにより,従来よりも容易な多次元合成器の設計が可能になった.開発した手法を自動車のエンジン制御に用いられるバーチャルセンサーの設計に応用した結果,ソフトウェア実装に比べ約55倍の処理性能を持つ信号合成器の自動設計に成功した.
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