研究課題/領域番号 |
25330319
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小松 孝徳 明治大学, 総合数理学部, 准教授 (30363716)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | オノマトペ / パラ言語情報 / 意図抽出 |
研究実績の概要 |
ユーザがうまくコトバとして表現できないイメージを音声にて出力する際に,そのユーザの伝えたいイメージがパラ言語情報のどのような要素に反映されているのかを調査した結果に基づいて,ユーザが発した音声からそのパラ言語情報を抽出し,その意図を数値化して,任意の対象に反映するシステムの開発を行った.具体的なシステムとして,コンピュータ上の描画アプリケーションを作成し,パラ言語情報の数値化が妥当であるかの評価実験を行った.この描画アプリケーションは,画面の中央にボールが表示されており,そのボールに対してオノマトペを音声で入力すると,そのオノマトペおよび音声のパラ言語情報が数値化され,その印象に基づいてボールが動作することで,結果として描画エフェクトを出力するというものである.評価実験の結果,多くのユーザから「自分の思い通りにボールを動かすことができた」「操作がわかりやすかった」といった,高い評価を得ることができた.その一方,現状の問題点として,音声から言語情報を抽出する際の精度がそれほど高くないため(それゆえに現状では,入力音声をオノマトペに限定している),その精度を向上させたうえで,オノマトペ以外の言語情報を入力できるようにシステムを拡張することを検討している.さらには,描画ソフトウェア以外のアプリケーションへの実装,例えば,作曲ソフトウェアなどへの応用を検討しており,本研究で提案するパラ言語情報の数値化手法の妥当性を多方面から検討していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究成果として,数値化されたパラ言語情報を表現するような簡単な描画アプリーケーションの作成に成功しているため,研究の進捗状況としてはおおむね順調であるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度においては,昨年度作成した描画アプリケーションを実用に耐えうるようなシステムへと拡張し,当初の研究目的である「ユーザがパラ言語情報に込めた意図を抽出する」システムとしての評価を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
描画アプリケーションの制作を業務委託によって実施する予定であったが,結局研究者側が自作したために,人件費および謝金の支出が行われなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については,次年度の計画に基づいて適切に執行する予定である.具体的には,描画アプリケーションについてはスケジュール上,その一部を業務委託する予定であり,現段階でその調整を行っている.
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