情報機器に伝達したい意図は頭の中でイメージできているものの,どうやってそのイメージを情報機器に適した入力情報に変換したらよいのかわからないユーザは,そのイメージをパラ言語情報(音の高さや大きさといったコトバで表現できない情報)やオノマトペ(擬音語や擬態語などの総称)といった,あいまいな情報として無意識的に表出してしまうことが報告されている.そこで本研究課題では,ユーザがそれらのあいまいな情報に込めてしまった情報機器に伝達しきれなかったイメージを抽出し,その抽出したイメージを情報機器に対する入力情報として再利用する,情報機器への新たな音声入力手法の提案を行った.
最終年度の研究活動においては,より具体的なアプリケーションを模索するために,臨床心理分野への応用を検討するための網羅的な調査を行った.具体的には,自らの心的状態を表現する際に利用するSUDsと呼ばれる指標としてオノマトペを利用することで,患者への適切な支援が可能となるという知見が得られたため,その応用に向けたシステムの提案を行った.
|