研究課題/領域番号 |
25330391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
和中 幹雄 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (40614558)
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研究分担者 |
渡邊 隆弘 帝塚山学院大学, 人間科学部, 教授 (80441096)
田窪 直規 近畿大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40206925)
松井 純子 大阪芸術大学, 芸術学部, 准教授 (80189373)
研谷 紀夫 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (00466830)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 書誌コントロール / Linked Open Data / RDA / メタデータ / MLA連携 / 博物館 / 文書館 / 目録規則 |
研究概要 |
本研究は,わが国における書誌コントロールの特徴を明らかにするとともに,Linked Open Data(LOD)を用いたウェブ上での書誌コントロールの新たな社会モデルを作成することにより,メタデータ作成・流通の今後の変革に資する理論的・実践的基盤を構築することを目的としている。本年度は,3つのサブ課題を設定し,文献調査を実施するとともに,7回の研究会を開催した。うち6回の研究会は一般公開とし,参加者で討議を行った(概要記録・配布資料等はウェブで公開)。 (1)「図書館目録とLOD」:LODの基礎技術と国内外の情報活用の事例に関する2回の研究会(9月及び1月)を実施した。国際目録規則RDAの開発合同運営委員会の前議長による講演会(同志社大学)を共催し,その講演記録を翻訳した。研究代表者がLOD実現の基礎となるRDA vocabulariesに関する学界発表(2月)を行った。 (2)「RDAの導入に関する調査」RDAの国内外の運用状況について,米国図書館界の導入状況及びNACSIS-CATへの導入可能性についての研究会(7月及び9月)を行った。また,国立国会図書館の平成25年度書誌調整連絡会議(2月)において,二人の研究分担者が,書誌情報の今後の方向性について研究報告を行った。 (3)「書誌コントロールの歴史」:文書館・博物館等類縁機関の書誌コントロール及び戦後日本の図書館の書誌コントロールの歴史に関する文献調査を実施した。前者については,次年度以降の研究の枠組みと進め方について研究会議(1月)を行い,後者については,研究代表者が論文発表を行った。 その他,日本十進分類法の改訂版に関する研究会(12月及び3月)を開催した。以上の研究活動により,具体化及び総合化は2年目以降の課題であるが、一定の方向性の確認と論点整理を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
図書館目録とLOD,RDAの導入に関する調査についての研究会開催等は予定通り実施することができた。図書館及び類縁機関(博物館,文書館等)の書誌コントロールの歴史的研究については,文献調査が中心であり,公表したものは少ないが,その成果は,次年度以降の研究会におい公表してゆく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究において,LOD時代の書誌コントロールの研究対象は広範囲に及ぶ課題であることが明らかになった。そのため,確実な研究成果を得るためには,課題の整理だけではなく,研究対象を絞り込むことが必要である。 LODによる書誌コントロールは,1960年代の情報技術を用いたMARCによる書誌コントロールに代わる枠組みとして,米国議会図書館はBIBLIOFRAMEという新時代の枠組みの案を提案している。また,わが国では,日本図書館協会と国立国会図書館の協同により,RDA対応の日本目録規則の改訂作業が始まっている。このような具体的な動きに対して,理論的・実践的基盤を具体的に提案する環境が整いつつある。国内外の図書館界のこの二つの新たな書誌コントロールとともに,文書館・博物館等類縁機関及びデジタル・アーカイブの書誌コントロールを総合的な把握することを今後の研究の方向性として捉えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を開始した時点で,想定していたよりも研究対象が広範囲に及ぶことが明らかになったため,国内外の専門家を招いて行う研究会の実施を当初予定よりも拡充強化することにした。そのため,今年度予定していた物品費の使用を一部に限定し,今年度及び来年度以降の研究会の拡充に回すことにした。 海外の専門家(中国・韓国)の招聘も含めて,各課題に関わる研究会を拡充して実施する。
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