線虫C. elegansの耐性幼虫期に放射線を照射すると寿命延長効が見られ、転写因子MXL-3の発現が上昇すると報告してきた。 放射線が生体内の水と反応し発生する活性酸素が細胞傷害に大きく寄与することが知られ、MXL-3が酸化ストレス応答に関わるSKN-1と結合する報告がある。事実、生体内に活性酸素を過剰に発生させるパラコートを曝露させると発現量上昇が認められ、またmxl-3突然変異体はパラコート高感受性を示し、高濃度酸素ストレス下で寿命短縮効果が顕著に現れた。本研究では、転写因子MXL-3がSKN-1と協調して、酸化ストレス応答に関与している可能性を示した。
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