ICR 系統やC57BL系統の妊娠マウスを予め低線量放射線を照射しておくことにより、その後の高線量放射線によって生ずる胎児の発生異常の頻度は低下する。このいわゆる放射線適応応答の機構解明を目的として、放射線適応応答を発現する系統のマウス(ICR やC57BL)の人工受精卵を、発現しない系統(C3H)のメスの子宮に移植することによって得られる胎児、およびその逆の組み合わせで得られる胎児における放射線適応応答を調べ、マウス系統に依存した放射線適応応答因子の同定を試みた。その結果、系統に依存した放射線適応応答因子は母体に存在していること、特にEGFとbFGFが関与していることを明らかにした。
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