プロトカテキュ酸(PCA)は、紫黒米の主要色素であるシアニジン-3-グルコシド(C3G)の熱分解物である。PCAの抗酸化作用をモデル動物を用いてC3Gと比較した。さらに紫黒米摂取が脂質代謝に及ぼす影響を加熱・非加熱の差異に焦点を当てて検討した。PCA投与は鉄誘導性酸化マウスの血漿過酸化脂質の生成を抑制し、PCAの抗酸化作用はC3Gよりも高いことが示された。調理済み食餌性紫黒米は、高コレステロール高脂肪食飼育マウスの血漿HDL-コレステロール濃度の低下を有意に抑制した。以上より、調理済み紫黒米の摂取は脂質代謝異常を改善し、その効果にはPCAの抗酸化性の優位性が関与することが推察された。
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