ユーラシア永久凍土帯の南限に位置するモンゴルを対象に地下に潜む永久凍土の分布を表現する方法論的な展開を図るのが本研究の目的である。同国では緯度、高度、植生状態や土地起伏など様々な要因が複雑に絡み合って永久凍土の維持形成に寄与している。本研究では同国の様々な地点で実施した地温観測から、永久凍土の有無を多点で調べ、それらと地理的要素との対応を多変量解析し、地理要素を説明変数、永久凍土有無を結果変数とする統計的に有意なモデルを構築した。このモデルによって永久凍土の分布が不確実性も含めて表現される。さらに将来の永久凍土衰退やそれに伴う生態系サービスの劣化を定量的に予測することに利用されうる。
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