大動脈手術時に脊髄の虚血による片麻痺の発生を防ぐために脊髄硬膜外腔局所冷却システムが用いられる。このシステムによる冷却中の脊髄温度を推定するために,脊髄から脊髄硬膜外腔に挿入された冷却用のカテーテルへ移動する熱量に関する数値解析モデルを構築し,過去の動物実験データを用いてその有用性を検証した.この数値解析モデルを用い種々の条件下で,カテーテルを流れる冷却液のカテーテル出入口での温度と熱源である脊髄の温度との関係を求め,関数化した.さらに,この関数を用い脊髄温度を推定しながら,脊髄温度を自動制御する装置を開発した.
|