筋損傷に対する予防や治療は、スポーツやリハビリテーションの臨床の現場において、理学療法士の重要な任務である。筋損傷急性期には寒冷療法が行われているが、筋再生の面から見ると好ましくない結果が出ている。科学的根拠に基づいた筋損傷に対する治療を確立するため、筋損傷に対する温度刺激の影響を形態学的、組織化学的、生化学的に観察した。温熱刺激を試みたところ、筋の再生は促進し、MyoDやmyogeninといった筋再生の重要因子の発現も早期化、促進できた。筋損傷後急性期の温熱刺激は禁忌とされているが、筋再生の面から見て検討を要すると考えられた。
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