この研究は、下肢腱振動の筋電図活動への影響を吟味するために設定された。我々は、振動刺激を利用し、無線の小型端末で操作が可能な脳卒中片麻痺歩行訓練支援システムを開発した。このシステムを利用して、健常被験者の下肢筋の腱に振動刺激を与えたときの筋に与える効果を筋電位で計測する試みを行った。被験者の膝蓋腱に振動モーターを弾性バンドで固定し、8mの歩行路を振動刺激あり/なしの条件で歩行させ、大腿四頭筋、大腿二頭筋、前頚骨筋、腓腹筋の4つの筋の筋電位を計測した。振動なしに比べて振動を加えて歩行させた場合、大腿四頭筋の筋電位は立脚/遊脚の両方の期で有意な増大を示した。
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