本研究の目的は,高速で展開するスポーツでの動作切替の特性や熟達過程を解明することであった.動作切替とは,打動作のように1 秒以内に終了する動作の開始後に,瞬時・ダイナミックに他の動作に修正することである.実験では,剣道の攻撃と防御の切替を要求する課題を設定した.参加者は大学生の上級・中級選手であった.課題①では動作切替の正確性や速度などについて,課題②では動作切替の相手の動作の外乱への耐性などを検討した.上級者は中級者と比較して,相手の動作の外乱がある環境でも,動作の準備中に攻撃と防御の両立が可能な状態を維持して適切な動作切替が実行できることを明確にした.
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