代表的な筋芽細胞株C2C12は分化誘導すると、筋管細胞へと分化する細胞と分化せずに筋芽細胞のままで留まる“リザーブ細胞”の2つのサブポピュレーションに分かれる。リザーブ細胞は、未分化かつ休眠状態を維持していると考えられており、筋衛星細胞に近い性質を持つと考えられている。この細胞培養系を使って、栄養飢餓ストレス下における骨格筋幹細胞の機能制御機構について検討した。栄養飢餓ストレスは、筋管細胞に不可逆的細胞障害、つまり細胞死を引き起こす。一方、リザーブ細胞はそのような過酷なストレス条件下であっても生存することができ、正常な細胞機能を有していることが明らかになった。
|