英国演劇の黎明期から17世紀までの現存する英語劇をHarbage, “Annals of English Drama: 975-1700”の推定執筆年に基づいて調査し、初期版本と現代版本を照合して手紙が現れる箇所を網羅的に分析した。 英国演劇における「手紙」の初出は "Fulgens and Lucrece" (1497) だが、その後しばらく例外的な作品をのぞき用いられなかった。1580年代に73例、1590年代に191例と頻出するようになり、偽造・誤配・誤読されることで劇的契機をつくりだす手法として発展した。
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