上ソルブ語の語順について,おもに以下の2点を明らかにした。(1)ドイツ語の枠構造を想起させる文において,主節ではドイツ語と同様に,文の第2要素に助動詞が,文末に動詞の不定形が現れやすいことを統計的に示した。従属節ではドイツ語は主節と異なる語順を用いるが,上ソルブ語では主節と同じ語順を用いる傾向が見られる。その結果,ドイツ語との共通点と相違点を見ることができた。(2)付け足しやあとからの説明語句のように,文が終止したあとに何らかの文要素が述べられることがあるが,上ソルブ語においてもその出現を確認することができた。これらのことにより,本研究課題の所期の目標は概ね達成することができたと考える。
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