特別な知識や技術がなくても利用可能なユーザーフレンドリーな環境の整備・普及は,コーパス研究の促進に寄与すると同時に,様々なレベルでブラックボックス化を進める要因の1つにもなっている。研究代表者の前研究課題では,データ抽出方法,統計処理方法等について検証し,ブラックボックス化の裏で起きている問題を具体的に指摘したが,ブラックボックス化,非明示性の問題は用語・概念,手法,方法論などにも及んでおり,より広い範囲で多角的に検討する必要がある。このような状況を踏まえ,本課題では,研究資料としてのコーパスの利用に関する用語・概念,手法,方法論について,I言語研究の観点から明示的・体系的に検討を行った。
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