本研究課題では主に以下の2点に取り組んだ。一つは形態統語面から見た主要部と依存部の変化である。例えば、18世紀後半頃まではit is > ’tis が散見していたが、19世紀以降はit is > it’sへと依存関係が変化した。この変化には「大母音推移」と呼ばれる音韻変化が起因している。もう一つは、談話情報面からみた主要部と依存部の変化である。例えばThe fact is that I don’t like itでは、the fact isが統語上主要部であるが、談話情報上はI don’t like it が中心である。この変化には「従属節の主節化」という通言語的な特徴が現れている。
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