大学において発達障害の学生に対し合理的配慮を行うか否か、行うとしてどのような合理的配慮を行うかを決定していく過程においては、学生の教育を受ける権利、大学側の体制面と財政面、「均衡を失しない」又は「過度ではない」負担、学外の専門家等の第三者による意見の参照、当該学生による根拠資料の提示、大学教員の教授の自由といった要素を考慮する必要がある。これらの諸要素間の調整については、行政法学における判断過程統制の議論が参考になるが、その際には当該学生が合理的配慮を受けて初めて他の学生と公平に評価されうるという合理的配慮の目的に照らし、当該学生の教育を受ける権利を中心にした上で諸要素の調整を行う必要がある。
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