研究課題/領域番号 |
25380135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
保条 成宏 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80252211)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療ネグレクト / 小児患者 / 総合的医事法 / 事前的関係調整法 / 事後的行為規制法 / 関係障害 / 病院内倫理委員会 / 重症新生児 |
研究概要 |
連携研究者である空閑浩人(同志社大学社会学部)、永水裕子(桃山学院大学法学部)、久本貴志(福岡教育大学教育学部)、一家綱邦(京都府立医科大学法医学教室)、森永佳江(沖縄大学人文学部)、および研究協力者である多田元、高橋直紹(いずれも愛知県弁護士会)とともに「医療倫理と法」研究会を設立し、2013年9月に第1回研究会を開催した。 研究成果として、研究代表者である保条は、日本医事法学会における個別報告の採択を受け、「小児患者の医療ネグレクトへの医事法的対応 -『総合的医事法』の視点に基づく刑法と民事法・福祉法の協働-」と題する報告を行い、その内容については、2014年7月刊行予定の『年報医事法学29巻』に掲載されることとなっている。 また、日本生命倫理学会において、保条をオーガナイザーとして公募シンポジウムの採択を受け、「医療ネグレクトへの『事前的関係調整法』による対応 -『死生観』の対立とこれに起因する『関係障害』を超克するために-」というテーマのもと、シンポジストからは、まず、病院内倫理委員会と協働して関係障害に対処する専門職の役割と実践に着目して、①「医療ネグレクトにおける法的ケースワーク ―弁護士の役割―」(高橋)、「医療ネグレクトにおける福祉的実践 ―ソーシャルワーカーの役割―」(森永)、の発表があった。そのうえで、病院内倫理委員会の組織・手続上の指導原理に関して、③「事前的関係調整法の手続的側面 ―手続拠点としての病院内倫理委員会―」(一家)、さらに、病院内倫理委員会における実体的判断のための規範・基準に関して、④「事前的関係調整法の実体的側面 ―重症新生児の生命に関わる治療方針決定における『子どもの最善の利益』とは何か―」(永水)、の発表がそれぞれあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連携研究者および研究協力者からなる共同研究組織として「医療倫理と法」研究会を立ち上げるとともに、研究の中間的成果として、日本医事法学会において研究代表者による個人報告を実施するとともに、日本生命倫理学会において研究代表者をオーガナイザー、同研究会メンバーをパネリストとするシンポジウムを実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、「医療倫理と法」研究会を複数回実施し、共同研究の深化を図るとともに、その成果の出版作業を進めることとする。
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