最先端の統計手法を用い、実質実効為替レートの伝播効果の規模を明らかにし、その変動を経済的に解明することが目的である。具体的には、1980年から2014年における先進国や途上国を含む約80カ国を対象に、ファクター・モデルを用い為替レートを世界共通要素と国特有要素に分解した。実質為替レートと実質金利で成り立つ理論モデルを基礎としており、共通要素から各国の伝播効果を推定している。階層レベルを低くすることで、研究者が外生的に決めなければならない国のグループ分けを簡易にした。ベイス統計手法で推定した結果、為替レートの世界共通要素は世界金利と、国別要素は各国の金利の変化と有意に関連していることを報告している。本研究結果は、論文タイトル「Commonality and heterogeneity in real effective exchange rates: evidence from developed and developing countries」MPRA Paper No.70078として公表した。
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