実効為替レートをファクターモデルで世界共通要素と国特有要素に分解することにより、外国為替市場における伝播効果を分析することが研究目的である。金利を説明変数とする為替モデルを理論的基礎とし、約80カ国を対象にベイズ統計法を用い検証した結果、世界共通要素(つまり伝播効果)の存在を確認することができた。しかし、採用している為替制度に関わらず為替レートの変動の多くは各国特有要素に寄与していることも分かった。そして、伝播効果は世界金利により、国特有要素は各国の金利の独自の変動により、説明できることを実証した。
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