複数時点の断面データが得られている場合には,直近の1時点のデータのみを用いる従来の方法よりも,複数時点のデータを用いてパラメータを1人当たり実質国内総生産の関数としたほうが,予測精度が高い.10年違いの2時点のデータが得られていた場合,新しい時点のデータに加えて古い時点のデータを用いる意義は極めて小さい.古い時点の10000サンプルよりも新しい時点の数百サンプルを用いて構築したモデルのほうが有意に良い予測を行える.また,古い時点と新しい時点のデータを両方利用するモデル更新法は,新しい時点のデータのみを用いる場合よりも有意に良い予測精度を示すことはなかった.
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