本研究の目的は、業績予想の開示の多様性とそれが資本市場等に及ぼす影響について明らかにすることにある。分析の結果、(1)予想開示制度の変更以降も業績予想の開示方法に大きな変化が見られないものの、業績予想の開示を控える企業や短期予想のみ取りやめる企業、レンジ予想を開示する企業が徐々に増えていること、(2)米国では業績予想の開示形式に多様性が見られ、レギュレーションFDの施行以降は利益のレンジ予想が増え、利益予想を補う分割予想(CF予想など)も増えていること、(3)投資家やアナリストはレンジ予想にはポイント予想ほど反応しないものの、分割予想を伴う利益予想には大きく反応することなどが明らかになった。
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