日本における伝統的な都市祝祭は、町内と呼ばれる地域共同体単位で営まれ、もともとは主催者も参加者も観客も地域の人が務める行事であった。それゆえ、祭りの形態は、地域ごとに異なり、日本全国には多種多様な祭りが存在してきた。ところが、1970年代頃から、特定の祭りが全国的に伝播するようになった。その代表格が、「阿波おどり」と「よさこい系祭り」である。 本研究では、これら2群の祭りが現在の日本でいかなる形で実施され、そこにどのような人々が主催者として参加者として観客として参加しているのか、こうした祭りの変化は、関係する人々に新たにどのようなメリットとデメリットを与えたのか、といった疑問の解明に取り組んだ。
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