利害の異なるステークホルダーが対立する係争事例において、建設的な話し合いが成立し、合意形成に到る要件について検討し、次の3点の成果が得られた。1)北海道銭函海岸での風力発電を巡る事例調査から、行政への信頼が低いときには手続き的公正が重要であることを示した。2)北海道幌延深地層研究センターの事例を元にした仮想シナリオ調査から、特定の価値のみを重視しそれ以外の価値を認めないという保護価値の緩和には、手続き的公正を高める手法の一つである権威統制のなさが重要である。3)風力発電合意形成ゲームを開発し、ゼロサムゲーム的ではなく共通目標の共有化が重要であることが示した。
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