(1) 初等数学教育の重要な教育内容である分数を主要な対象として、その教育内容・教材構成に関する実験的研究および歴史的研究に取り組んだ。 (2) 実験的研究においては、定義の導入から、性質、大小関係を経て四則演算に至る教育内容・教材を授業書の形で構成し、実験授業によってその妥当性を検証すると同時に、今後の改訂課題を明らかにした。 (3) 歴史的研究においては、分数の定義を主要な対象とする研究を行った。国定算術教科書における分数論の基本的性格、それに関連する重要な要因としての師範学校からの意見報告、および、当時における実践的研究の動向を対象とし、その相互関連を解明した。
|