本研究は、やがて教科となる中学校の道徳授業における討論を活性化し、いじめ等中学生の諸課題に効果的に対応できる道徳教育を企図する研究である。その成果は以下の諸点にまとめることができる。 ①「教室という社会」の捉え方を導入し、そこで生徒が形成する「規範構造」に着目し、規範構造を組み替える生徒による厳密な話し合い・討論を道徳の授業の学習活動として理論的・実践的に位置づけたこと。②討論を厳密に行うための「話し合いのルール」を討議倫理学に基づいて構成したこと。③討論を効果的に授業展開に位置づける授業展開モデルを開発したこと。④上記①から③を実践的に具体化する教材資料の構造モデルと授業指導案を開発したこと。
|