法人化後の国立大学財政・財務の変動に関するデータを収集整理し、アンケート・インタビュー調査を併用して研究課題について明らかにした。①運営費交付金の削減が続くなかで、国立大学全体としては収入総額はほぼ一貫して増えてきている。②しかし個別大学レベルで見ると、約3割程度の大学はその収入水準を減らしている。こうした状況の下で、③国立大学間での財務面(教育経費・研究経費も含め)での格差が拡大しつつある。④地方国立大学の研究生産性が停滞している。⑤競争的資金を通じて、政府の意向が大学運営に大きな影響を与えるようになり、政府の意向と個々の教員レベルの意識との間に齟齬が存在するまま各種の改革が進められている。
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