研究課題/領域番号 |
25381218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐渡島 紗織 早稲田大学, 留学センター, 教授 (20350423)
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研究分担者 |
太田 裕子 早稲田大学, オープン教育センター, 助教 (50434353)
坂本 麻裕子 早稲田大学, オープン教育センター, 助手 (40648317)
大野 真澄 早稲田大学, オープン教育センター, 助手 (50704657)
ドイル 綾子 早稲田大学, オープン教育センター, 助手 (80595835)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 大学における文章作成指導 / 大学生の文章作成力 / 文章作成授業 / オンデマンド授業 / 文章指導コメント / 授業画面の視聴 / アカデミック・ライティング |
研究概要 |
【研究目的】初年次教育科目「学術的文章の作成」は、オンデマンド形式で履修者全員に授業が配信される8回(1回は約60分間)の授業である。毎回、短い文章作成が課され、文章は個別にフィードバックされる。<授業画面視聴の効果>と<考え方を含むコメントと考え方を含まないコメントの文章作成力向上への影響の違い>を測定するための実験を行なった。実験参加者は、学内で募集した学生51人と訓練を受けた文章指導員3人であった。 【研究方法】実験参加者を三グループに分けた。〔グループ①a〕授業画面を視聴してから課題文章を書き、考え方を含まないコメントをフィードバックされたグループ、18人。〔グループ①b〕授業画面を視聴してから課題文章を書き、考え方を含むコメントをフィードバックされたグループ、18人。〔グループ②〕授業画面を観ずに文章作成のみ行い、点数だけがフィードバックされたグループ15人である。すでに開発済みの三観点六段階の評価評に基づき、全員のプレ作文とポスト作文の文章評価を行なった。プレ作文とポスト作文の評価点の違いを文章作成力の向上と考えた。 【研究結果】実験参加者が各グループで数名ずつ途中棄権したため、統計処理をするに至らなかったが、次のような傾向が見られた。 (1)グループ①に比べ、グループ②の参加者の文章作成力は伸びなかった。 (2)グループ①aと①bは、ほぼ同様に文章作成力が伸びた。 これにより、本授業において、授業画面の視聴をせずに課題文章のみを書いて点数評価を受けても文章作成力の向上はほとんど望めないことが明らかとなった。コメントの種類の違いについては、実験参加者を増やして再調査を行なうか、インタビューなどのデータを収集し質的に検証を行なう必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文章作成指導に関わる実験では長期に亘る参加者の協力が必要とされるが、本実験は8週に亘ったためか、参加者の途中棄権率が予測以上に多かった。そのため、統計処理ができるほどにデータが収集できなかった。 ただし、プレ作文、ポスト作文を評価して比較することにより文章作成力の向上を測定した。この一連の手続きは適切であったと考えられる。文章評価にも訓練を受けた指導員を当てたため、謝金が必要とされた。
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今後の研究の推進方策 |
三つのグループの参加者に対してインタビューを行い、質的に、文章作成授業のあり方に関する反応を調査する予定である。 その後、別の指導法の比較を、同様に参加者を集めて実験する。
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