今日の生物電子顕微鏡法には試料損傷という重大な問題がある。使う電子の数が少なすぎると画像のノイズが大きくなり、電子数が多すぎると冷凍試料を破壊してしまう。我々はこの問題を量子テクノロジーを使って解決しようと考えている。当初我々は、超伝導電荷量子ビットであるクーパーペア箱を透過型電子顕微鏡内の電子ミラーに装備することを提案していた。 本プロジェクトでは、我々は磁束量子ビットのほうが好適であることを見出し、その性質を理論的に分析した。この発見により、電子ミラー開発から研究の方向性が大きく変更された。実験的には、どの方向に進むにも必要な真空装置、極低温装置の整備・テストを行った。
|