研究課題/領域番号 |
25400027
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
星 明考 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50434262)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 有理性問題 / ネーター問題 / 不分岐ブラウアー群 / 双有理分類 / 半単項式作用 / レトラクト有理性 / 安定有理性 / relation module |
研究実績の概要 |
Ming-chang Kang氏(国立台湾大学)、山崎愛一氏(京都大学)との共同研究として二面体群についてのrelation moduleの研究、及び3次不分岐ブラウアー群の研究を行った。前者については、relation moduleの直和分解の様子や直既約性を調べ、それを不変体の有理性問題に応用した。後者については、Emmanuel Peyre氏による先行結果、位数がpの12乗である有限群が存在し、その群作用による不変体に対する3次不分岐ブラウアーは非自明となる、を改善することを試み、実際、位数がpの9乗の有限群への改善に成功した。これらの結果はプレプリントとしてまとめられ、arXivから公開された。 素数位数の巡回群に対する有理数体上のネーター問題を、コンピューターを使って20000以下の素数に関して、いくつかの未解決の場合を除いて検証することに成功した。この結果は日本学士院紀要から論文として発表された。 また、北山秀隆氏(和歌山大学)との共同研究として、有限群の有理関数体への半単項式作用による不変体の有理性問題の研究を行った。この研究は、これまで従来行われていた単項式作用による有理性問題や代数的トーラスの有理性問題を一般化したものである。3次元で作用が純単項式と呼ばれる場合に、同問題をいくつかの例外を除いて解決した。この結果はプレプリントとしてまとめられ、arXivから公開された。 これら以外にも、いくつかの研究成果が得られており、順次論文としてまとめ発表していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
単独研究として、素数位数の巡回群に対する有理数体上のネーター問題に関する結果を論文として発表したほか、Ming-chang Kang氏(国立台湾大学)、山崎愛一氏(京都大学)との共同研究として、二面体群についてのrelation module、3次不分岐ブラウアー群に関する結果を得た。北山秀隆氏(和歌山大学)との共同研究も順調に進んだ。加えて、いくつかの研究成果が既に得られており、当初の計画以上の成果を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
単独研究、Ming-chang Kang氏(国立台湾大学)、山崎愛一氏(京都大学)、北山秀隆氏(和歌山大学)との共同研究がそれぞれ順調に進んでおり、今後も現在のような順調な研究の推進を維持したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費及び旅費の使用が予定と異なったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
生じた次年度使用額は旅費として効果的に使用する予定である。
|