正標数の代数多様体とその特異点のフロベニウス直像が,代数多様体の大域的・局所的な幾何をどのように反映するかを解明するため,幾つかの射影多様体と特異点に対象を絞って以下の研究成果を得た. 1. 単純楕円型特異点のF爆発列の構造を,標数p>0と最小特異点解消における例外楕円曲線Eの自己交点数,およびEが通常楕円曲線か超特異的かによって分類した. 2. 射影平面を一般の位置にあるn点で爆発して得られる曲面の構造層のフロベニウス直像について研究し,とくにn=4の場合に,累次フロベニウス直像の直既約直和因子を決定し,その有限性(GFFRT)などを示した.またn=10においてはGFFRTでない例を構成した.
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