本研究では、数学の組合せ論の分野において重要な研究対象である凸多面体やセル複体の面の個数に関する研究を行った。主要な研究成果は以下の二つである。 (1)凸多面体の持つ重要な組合せ論的不変量であるcd指数を、代数学を用いて研究する手法を新たに開発し、この手法を応用してcd指数に関する新しい不等式を発見した。 (2)モース不等式と呼ばれる幾何学的観点から得られる不等式と次数付きベッチ数と呼ばれる可換環論においてよく研究されている不変量を組合せることで、多様体の三角形分割の面の個数に関する新しい不等式を証明することに成功した。
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