数理物理に現れる非線形偏微分方程式に対し,その初期値問題の適切性や解の性質について研究した.方程式に初期条件や境界条件を課したときに,解が唯一つ存在し,与えられたデータに連続的に依存するとき,その問題は適切であるという.適切性を示すことは,方程式が現象を正しく記述していることを保証するために大切なステップである.主として非線形 Schrodinger 方程式の適切性について研究し,適切性に関してほぼ最良と思われる結果を得た.これに関連して分散型方程式・波動方程式の解の微分可能性,磁場付き Schrodinger 方程式の平滑化についても研究した.
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