本研究はシュレディンガー方程式等分散型方程式に関する様々の数理モデルを研究対象にした。中心課題を磁場中の、特に低次元の波動伝播現象の解析に置き、2次元外部領域での磁場付きシュレディンガー作用素の一様なレゾルベント評価を得るのに成功した。これは逆問題を含む散乱理論の発展に寄与するものである。また、磁場を伴う外部領域でのクライン-ゴルドン方程式に対して、平滑化効果、ストリッカ―評価の確立が期待される。 1次元の散乱の逆問題では、種々の星型無限グラフ上での散乱行列からポテンシャルを同定す問題に一定の回答を得た。ここからは、一つのループから有限個の半直線状のレイが伸びている問題に研究を集中していく。
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