κ-統計力学において基本的な確率分布である、κ-指数型分布族に対する適切な共役表現を見出し、対応する統計多様体を具体的に構成した。また、情報幾何構造を特徴付けるκ拡張された情報計量、κ拡張されたアフィン接続やダイバージェンスなどの重要な諸量の表式を具体的に求め、双対平坦であることを示した。 熱力学・統計力学において非常に重要であるMaxwell関係式と揺動応答関係が、双対平坦であるFisher計量の性質から導出できることを見出し、κ-指数型分布に対して、揺動応答関係のκ-拡張版を得た。更に、関連するHesse構造を調べ、通常の期待値に加え、κ-エスコート期待値の重要性を示した。
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