本研究の主題は,ソボレフ不等式の最良評価(最良定数,最良関数計算)を求めることである。連続版のソボレフ不等式においては,トムソンケーブルの連続版と2M階微分作用素(低階項なし)に対する自由端条件のそれぞれの場合について,ソボレフ不等式の最良評価を得た。連続版ソボレフ不等式の最良評価と並行して進めてきた離散版ソボレフ不等式の最良評価については,メビウスのはしご,C60フラーレンバッキ-ボール,切頂正4,6,8面体,テプリッツグラフのそれぞれについて,離散ソボレフ不等式の最良評価を得た。こうした結果は今後のソボレフ不等式の最良評価を行う上で,足がかりとなる重要な結果といえる。
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