電子正孔系に関して3つの成果を得た.1)自己無撞着 T 行列近似を用いて二次元電子正孔系の励起子のイオン化率を求め,励起子気体と電子正孔プラズマ間のクロスオーバーを明らかにした.また,低温では両者の間に,気液相転移あるいはイオン化率のとびを伴う一次相転移があり得ることも示した.2)バンドの非放物線性,バンド間の遮蔽効果を考慮したハミルトニアンを数値的に対角化して,カーボンナノチューブにおける荷電励起子の微細構造を調べ,実験結果と比較した.3)クラスター変分法を用いて,カゴメ格子 Hubbard 模型における Mott 転移が,バレンスボンド固体の形成によって引き起こされることを明らかにした.
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