断層欠陥場は、非整数次元で特徴付けられる内部構造をもつ変形現象の典型例であり、それを分数階微積分学に基づいて考察した。一般化されたラプラス方程式の非整数グリーン関数から、非整数次元と方程式の分数階との関係式が得られる。横ずれ断層周辺の変位場は一般化されたラプラス方程式で記述されるので、上記の結果を適用した。横ずれ断層に関する観測データから、断層周辺空間の非整数次元を見積もった。これは、断層周辺領域における変形の非局所性を定量化したものである。また、一般化されたラプラス方程式をさらに一般化した非整数ナビエ方程式による変形場を、記述する手法も考察した。
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