大気中の硝酸の除去経路としての粒径10μm以上のエアロゾルの重要性を検証するため、粒径10μm以上のエアロゾルを10~14μm、14~25μm、25~40μm、40μm以上の4段階に分級して採取するエアロゾルサンプラーを開発した。このサンプラーを用いて、実大気において0.43-40μmの粒径範囲のエアロゾルについて粒径別に化学成分濃度を求めた。粒径別のエアロゾルの乾性沈着速度を抵抗モデルから算出し、これを濃度に乗じて各成分の乾性沈着量を推定した。その結果、大気中硝酸のおよそ10%は、粒径10μm以上のエアロゾルに取り込まれ沈着することにより除去されていることが明らかになった。
|