日本海拡大および西南日本弧の時計回り回転と同時期に起こった海溝寄り地域火成活動の年代を精密に拘束するために瀬戸内火山岩類を中心としてジルコンのウラン・鉛年代測定を行った。その結果と過去のデータをあわせると瀬戸内火山岩類は紀伊半島、四国西部、九州東部で年代範囲が重なり明確な島弧伸長方向の年代変化は見られなかった。また四国西部、紀伊半島については外帯花こう岩類も含めて明確な島弧横断方向の年代変化は見られなかった。また、瀬戸内珪長質火山岩類の全岩化学組成分析から、スラブ融解由来の可能性のある高Sr/Y比のデイサイト~流紋岩は四国西部から紀伊半島中部の範囲に産出することがわかった。
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